2024.03.29
ケア方法
今までとどこが違う?『妊娠中・出産後のデリケートゾーンのお手入れ法』

妊娠中のデリケートゾーンの変化

デリケートゾーンはそもそも生殖のための器官です。

セックス、出産のためにデリケートゾーンが存在しているので、デリケートゾーンのケアの上で妊娠、出産は非常に重要なポイントになってきます。

妊娠中は胎盤から出るホルモンの影響でおりものが増えます。胎盤がおりものを増やすホルモンを出すのには、理由があります。

なぜ胎盤がおりものを増やすホルモンを出すのかというと、大事な胎児を細菌から守るためです。おりものには、細菌が膣を通して身体に入ってくるのを防ぎ、膣の中をきれいに保つ力があるのです。

また、体温が高くなる妊娠中は汗をかきやすい上、お腹をカバーする大きめの下着や腹巻を使用するので、通常よりも蒸れやすくなっています。

妊娠週数が進むにつれて子宮は大きくなり、膀胱が圧迫され頻尿になり、また尿もれも起こりやすくなります。

いつもと違うおりものやニオイを感じたら

妊娠中は胎児を受け入れるために免疫力が低くなっています。さらに、普段より蒸れやすい環境、尿もれなどで雑菌が繁殖しやすいため細菌性の感染症にかかるリスクが高くなっています。

おりものの変化やかゆみを感じたら、かかりつけの産科に相談しましょう。そのままにしておくと、雑菌が子宮頸管に侵入してしまい、炎症がすすんで破水しやすくなったり、子宮収縮を促して流産、早産につながる可能性が出てきてしまいます。

妊娠週数が進むとデリケートゾーンを洗う体勢をとるのも苦しくなってきますが、細菌性膣炎を起こさないためにも、デリケートゾーンは清潔に保つように気をつけましょう。

妊娠中のデリケートゾーンケア

おりものの量が増えること自体はホルモンの分泌によるものなので、さほど気にする必要はありません。

妊娠中のデリケートゾーンはいつもに増して蒸れやすいため、まだ体型に変化がみられない時期であっても出来る限りきつい下着やボトムは避け、通気性のいい下着やボトムを選ぶようにしましょう。

おりものの量がどうしても気になる場合は、おりものシートよりも厚みと吸収力の高い生理用ナプキンや、臨月など尿もれが頻繁におこる場合は尿もれパッドを使うのがおすすめです。

生理用ナプキンや尿もれパッドを使う場合は、雑菌の繁殖を防ぐためにもこまめに取り替えて清潔を保つよう気をつけてください。

出産後すぐのデリケートゾーンケア

出産方法が経膣分娩か、帝王切開かによってデリケートゾーンのダメージは大きく変わってきます。

経膣分娩の出産直後のデリケートゾーンは膣全体に傷がつき、会陰は裂けたり、分娩のために医師によってハサミで切られたりと、いつも以上にとてもデリケートになっている状態です。

裂けた会陰を縫合しても、その痛みは1ヶ月ほど続きます。縫合跡とその痛みが気になってデリケートゾーンをしっかり洗うのをためらってしまうかもしれませんが、この時期のデリケートゾーンを清潔に保つことは非常に重要です。

また、出産から1ヶ月ほどの産褥期の間は悪露が出てきます。悪露は、出産時にはがれ落ちた胎盤や子宮内に残っている内膜が混じった分泌物が、おりものと一緒に排出されるものです。

悪露を排出することで、少しずつ子宮が回復してきます。悪露は臭いが強めで、量も色も通常のおりものとは大きく違い、血が混ざっていることもあります。 産後1ヶ月ほどでおさまってくるのが普通ですが、産後1ヶ月以上だらだらと色のついたおりものが続くなど、気にかかることがあれば早めに産科に相談しましょう。

産後のデリケートゾーンケア

産後1ヶ月は会陰の傷が痛んだり、悪露が続いたりというデリケートゾーンの変化だけではなく、新生児のお世話で忙しくゆっくりとお風呂に入るのも難しくなるため、これまでのようなデリケートゾーンケアを行うのは厳しくなるかもしれません。

とはいえ不衛生にしていると会陰の傷の回復にもひびき、細菌性の病気に感染する可能性があります。短い時間でもできるかぎり丁寧にデリケートゾーンをしっかり洗浄し、清潔に保つように気をつけましょう。

産後肌が敏感になり、デリケートゾーンにトラブルを感じるようになったという方は少なくありません。刺激の少ないデリケートゾーン用ソープを使うことでかゆみやヒリヒリした症状がおさまりやすくなります。

経膣分娩の場合は膣の筋トレが重要!

妊娠、出産によって女性の内部には大きな変化が起こっています。

経膣分娩の場合には出産時のいきみで尿道周りの筋肉が疲弊してゆるみやすくなっているため、経産婦は尿もれしやすくなっています。

また、胎児の頭を通すために膣の筋肉は伸びきった状態になってしまっているため、産後は産褥体操などのケアが必要になります。意識して膣の筋トレを行っていくことで、尿もれを防止することができます。

こうしてデリケートゾーンまわりの筋肉を鍛え直しておくことで、尿もれだけではなく、老後子宮が下に垂れ下がって出て来てしまう子宮脱のリスクも減らすことができます。

妊娠、出産はデリケートゾーンのためにも体をよく休ませる

女性の体は妊娠、出産で非常に大きな身体的ダメージを受け、その回復には数年かかります。

10ヶ月かけて大きくなった子宮、その子宮を支えるために広がった骨盤が産後の1ヶ月で一気にもとのサイズに戻ろうとするため、産褥期はなるべく横になって過ごしましょう。

産後の1ヶ月はトイレと食事とお風呂以外は起き上がらず寝て過ごすことで悪露の異常も防げて、デリケートゾーンのダメージも回復しやすくなります。

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